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執筆者の写真第九in市川

『日本における「第九」初演の奇跡』

更新日:2020年6月1日

指揮者 津田 雄二郎

「第九」初演の6月1日を機に皆さんにご紹介させて頂きます。

本邦の「第九」初演は1918年6月1日、徳島県鳴門の板東俘虜収容所に抑留されていたドイツ兵によるもの。その後「なると第九」は現在に至って盛大な発展を遂げている。ドイツ兵達の置き土産は「第九」に限らず、パン、石橋、スポーツ、演劇、印刷、出版、写真、標本、文化講演会、各種ボランティア活動と多岐に渡る。後日、そこで亡くなったドイツ兵の墓が見つかったことから日独国際交流が始まり、毎年、徳島少年少女合唱団による慰霊ミサが行われている。2006年には東映「バルトの楽園(がくえん)」が制作された。「第九」のみならず、心の機微が伝わってくる良い映画と思う。また現在、鳴門市ドイツ館には当時の写真、多くの歴史的遺品が収蔵され、ベートーヴェン像などを見ることができる。その「板東俘虜収容所」は第一次世界大戦終了後、俘虜が解放され、1920年4月に閉鎖された。今年はその閉鎖100周年に当たる。「第九」など、文化を通しての国境を超えた心の繋がりは尊い。それを大切に守り育てて来た人達の情熱と努力には頭が下がる。書籍 『板東俘虜収容所「第九」百年の国際交流』 と、『交響曲「第九」の秘密』 にはその全てが記されている。

【参考】

◇ 写真:「ドイツ橋」ほか Wikipedia

◇ 鳴門市ドイツ館HP: http://doitsukan.com/

【書籍紹介】

◇ 板東俘虜収容所「第九」百年の国際交流 / 石川栄作・石川晶子・柳瀬朋子 共著(2018, 国際交流刊行会)

◇ 交響曲「第九」の秘密:楽聖・ベートーヴェンが歌詞に隠した真実 / M.クラメス 著 (2017, ワニブックスPLUS新書)




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